このお話しは、標的140「アジト」の妄想SSです。
ネタバレを含みます。ご注意ください。
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帰る場所
十年前(オレにとっては現在だけど)の山本の背中は、どれぐらいの大きさだったんだろう。 何故、お前がここにいる? 取り合えずここを離れようと歩き出した山本を追って、歩く。その背中は、多分オレがしっているものより、ずいぶんと大きいように思えた。 「獄寺?」 遅れて歩くオレに気付いたのだろう、山本が振り返って名前を呼んでくる。つられて十代目と女も振り返るが、山本はそれに「真っ直ぐ進んでおいてくれ」と軽く指示をして、その場に止まってオレが追いつくのを待った。 「なんだよ、さっさと行けよ」 ああ、こういう所は変わっていないのか。 真っ直ぐに山本から見つめられて、思わず目をそらした。 「背中、貸そうか?」 な? と言って笑って、反論の余地を与えない早業でオレの手を引く。 まことに情けない話ながら、確かに足は痛かった。 「じゃあ、肩貸せ」 別に遠慮もしていないのだけど、山本が背中を向けて「ほら」と声をかけてくる。 「十代目が振り返ったら、すぐ降りる」 子供扱いしやがって。 「くそ、なさけねぇっ」 お前さっきといってることが違うだろうと、喉本まで出かかった怒鳴り声を飲み込む。 だって、こんな体をオレはしらない。 黙り込んだオレに、ふと山本が囁く。 「十年後のお前の、帰るところだよ」 ずっと、おぼえてろよ。と、消え入りそうな小さな声で、呟いた。 山本の大きな背中の体温に、不覚にも安心感を覚えて、オレは目をつぶった。そして暗闇のなか、その場所をさがす。 イタリア、家族。日本、並森、十代目、そして……。 脳裏に浮かべた景色の中を旅して、目をあけて。
end
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ということで、やってしまいました、24本×14寺!
お題ははちゃさんから、おんぶ山獄でした。
獄寺がおんぶって、かなりシチュが難しい…(笑)
原作と色々つじつまが合わないところもあるかと思いますが、
妄想ということで多めにみてください……。