congratulazione
「おめでとう」 「いやいやいや、ちょっと待てって獄寺」 その扉の隙間に足を挟ませて、山本はにこやかに笑う。 見れば山本の向こうの空は、朝焼けを迎えたばかりでまだ暗い。 しかも何がめでたいのか、「おめでとう」といわれている俺がわからないのだからどうしようもない。 「おめでとう獄寺」 誕生日は過ぎたし、新年はまだだし。 意味がわからない。 「わかんねぇ?」 寝癖のついた髪をかきながら、面倒くさいのを隠しもせずに言えば、山本はかぶった帽子をすこし前 「……なんだよ」 その山本がなんだか何かたくらんでいるようで不気味だったので、思わず一歩あとずさる。 「獄寺」 と山本が俺の名前を呼んで、挟んでいた足に力を込めて扉を大きく開いた。油断していた俺はなすす それは触れるだけの一瞬のキスだったけれど、俺を呆然とさせるには十分で。 「な……っ」 言葉を失った俺に、山本はまたいつも笑顔を作って、 「俺とお前が、初めてキスをする日だから」 といった。 「おめでとう、だろ?」 ふざけるな、といってやりたいのに。 「じゃあ俺、朝錬いくから」 そういって小走りに去っていくお前の胸倉をつかんで殴ってやりたいのに。 「あ、それと。獄寺いま顔赤いからさ、外でかけるなら顔洗えよな」 そんな可愛い顔誰にも見せんなよ、とか言うので。 なんだ。なんなんだ、ちくしょうっ。 「なにがっ、おめでとうだっ」 余裕ぶった態度が、またむかつく。 そして。それから。そのあとにだったら。
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ある尊敬する山獄の大先輩にささげた作品であります!(勝手に先輩扱いとかなれなれしくてすみませんっ)
ちょっと名前をだすのも恐れ多いのですが(許可とってないので)、いきなり何の前触れもなくこんな作品をお
くりつけるほうがよっぽど恐れ多いと思います!!!
サイトアップするつもりのない作品だったのですが…、まあいっかとアップしてみました(日々思いつきデス)。
題名は読めませんが、「おめでとう!」という意味らしいですよ。イタリア語で(適当ですみませんっ)。
えへへ、○○様!アイシテイマス!!!