うららかに、暖かく。
好奇心だった。山本があんまり大事そうにしてるから、気になっただけで。
「何だ、これ」
野球の試合のあと。山本は時々俺を近くの川沿いの草むらに連れ出し、ぐだーっとだきついて 「ん?」
へー、と頷いてそのお守りを山本の首からはずした。 「あ、ダメだって! 獄寺!」 「きたねー、これがお守りか?」 山本が言い淀む。 「まかさ俺の髪とか爪いれてねーだろーな!」 もし入ってたらこれからは変態と呼ぼうと決意をかため、俺はそのお守りの袋を開いた。 「……何だこれ」 しかし、中身は髪じゃなかった。爪でもない。 「それ、獄寺がくれたやつ」 「俺が?」 コイツに消しゴムなんかやったかと首をかしげると、山本の手がのびて取り返されてしまう。 「獄寺は覚えてないだろうけどな。ずっと前に俺が消しゴム忘れたとき、貸してくれたんだよ」 そして返すといったらいらないからヤルと言った、らしい。まったく覚えてないけど。 「そんとき俺、獄寺に嫌われてると思ってたから、すげー嬉しくて。ずっとお守りにしてもってたん すると不思議と調子がいいんだ。なんて恥ずかしいことをいう山本の顔が本当に赤かったから、 「馬鹿じゃねーの」 というと、 「馬鹿だけどさ」 と返ってきた。 山本はその『お守り』を首にかけなおして、再びぎゅっと俺を抱きしめる。 「んーでも、今の俺のお守りは、獄寺だからなー」 ようは好きってことなんだろうけど。なんてやっぱり恥ずかしいことをいうので、右手で力一杯山本の なんてさらに恥ずかしいことを真っ赤な顔をしていうから。 俺だってお前の汗と太陽の匂いとか、ガキみたいに高い体温がとても温かくて落ち着くんだなんてことは、 |
えっと、実はこれは散文の予定だったのですが、思ったより長かったので、
ちゃんと書いてこっちにアップしました。
散文で書いていた「爪」や「髪」をお守りにしたいっていう山本の続き(?)みたい
なもんです。
それにしても、獄が乙女でラブラブすぎてすみません…。