短く笑って、長く泣く。 (後編)
その後は二人とくに言葉もなく、ただ少し早足に獄寺の部屋に向かった。 相変わらず獄寺は可愛くて、やっぱり何があっても手放せるわけがない。 「そうだ……」 行為の後。 「なに? 獄寺」 脱ぎ捨ててベッドからおちたズボンを手繰り寄せて、可愛らしい花の便箋を取り出した。 「ほら……、名前は忘れたけど中に書いてあると思……」 言葉をつづける獄寺の唇を、そっと覆う。 「や、山本!?」 以前までなら、応えられなくも嬉しかった手紙も。 「お前しか見えないから」 だから、俺を不安にさせないで。獄寺。 「せ、めて……中ぐらい見てやれよ」 そう聞き返せば答えは返ってこなくて、小さく苦笑する。 「俺は、獄寺のものだから。獄寺はもう、こんなもの受け取ってこなくていいから」 獄寺は小さく口を開いて、布団に少し顔を隠すようにして言葉を続けた。 「お前も……、もし俺宛の渡されても、受け取んなくていい」 言われずとも、と。答える代わりにキスをした。
俺の全てが獄寺のものであればいい。 少し、前までの俺は。 獄寺を俺から奪うものならば、迷うことなくあの手紙のように二つに裂いてしまうだろう。 それでも。 「獄寺」 さっきつけたばかりの背中のキスマークに指を這わせながら呟けば、獄寺が小さく笑った。 「そんなの、いまさらだろ」 そっかいまさらか。といえば、もう一度いまさらだと返って来た。
独占欲と。嫉妬と。 |
そして獄は山の背中に爪あとをわざと残しておけばいいと思ったり。
ようはいつものバカップルでございます。
なんでこんなに長くなってしまったのかって? 途中でえろが入ったからですよ(どーん)。
もっさんはものすごくヤキモチ妬きだと思う。獄はものすごくヤキモチを妬くのが下手だといい。
とか思ったのに、伝えたいことを半分も伝えられなかったような……。
精進します。ここまで読んで頂いた方、ありがとうございます。