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いそいそと獄寺の足の間にもどって、ジェルをだす。ピンク色がなんかやらしい。指先にとって少しのばしながら獄寺の後ろにそっとあてがった。 「いれるぞ」 ぐっと少し力をこめて指をいれる。本来受け入れるべき器官ではないそこはそれの指をこばむようにしまるけど、無視して奥へと指をすすめた。 「ん……ぁ」 ジェルのおかげか痛さはないようで、ほっと胸をなでおろす。俺はさらに指を中まで入れて、ゆっくり出し入れを始めた。 「や……ん、んっ」 獄寺が痛くないようにとにかくゆっくりしようと思うのに、どうしても先を急いでしまう自分に舌打ちした。早く、早くいれたい。 「ってぇ……」 さすがに痛いのか眉をしかめて獄寺が声をもらす。ぐいっと二本の指を奥まで突き入れて、中を広げるようにかき回すと獄寺の腰が少しういた。 「んんっ」 指を曲げたりばらばらに動かしたり、入れたり出したり。性急になってしまう自分を止めらない。 「そろそろ、かな」 本当はまだきつそうだけど、もう俺が我慢できない。びくんと肩を震わせる獄寺に心の中であやまって、ゴムを手に取った。 「い、入れるのか?」 駄目といわれてももう無理だけど。 ゴムの袋をやぶって、中身を取り出す。ていうかこれどうやってつけるんだろう。表裏とかあるんだろうか。 「何を悩んでんだよ」 俺の手からゴムを奪い取り中央辺りを人差し指でつくと、先端部分が顔をだした。 「あーなるほどな」 もたもたしている俺に痺れを切らしたのか、獄寺がため息をつく。それから、 「しょーがねーな。つけてやるよ」 といった。 「え?」 思わず聞き返すと、獄寺は不機嫌そうな顔で「ああ?」と眉間にシワを寄せる。ただ耳まで赤くなっていたので照れ隠しなのがばればれだけど。 「ちょっとこっちよれ」 手招きする獄寺に近寄ると、手が俺自身に伸びる。それだけでもう、いってしまうそうだった、 ちいさくなっているゴムを指で伸ばしながらかぶせていく。どことなく愛撫に似ている気がした。圧迫感があるというのに、気持ちいい。 「ほら、出来たぞ」 やばい、鼻血がでそう。でもここで出すわけにはいかないので、深呼吸をして自分を落ち着かせる。 「もう、ほんと無理」 獄寺が歯をくいしばる。それにごめんともう一度あやまって、俺は獄寺の窄まりに自身をあてがった。 ぐいっと力をこめて押し入ると、一気に獄寺の表情が変わる。 「い、ってえー!」 今まで聞いたこともないような獄寺の悲鳴に、俺はびっくりして思わず動きを止めた。 抜けといわれても俺も無理で。心の中で何度も「ごめんごめん」と呟きながらさらに腰を押し進める。 とはいっても獄寺のナカは本当にきつくて、俺がびびっているのもあるんだろうけど中々入らない。ゴムが引っかかるのか先っちょがぎちぎち音を立てて、その度に獄寺から苦しそうな声が聞こえた。それでももっと先にいきたくて、一つになりたくて。自身に手を添えて無理に入れようとすると獄寺の足がバタバタと背中を蹴る。それを腕で押さえ込んで体重をのせると、ゴムが破れてしまった。 「あ……」 情けない声を出してしまったことに軽く舌打ちをしながら腰を戻すと、獄寺の体から一気に力が抜けたのがわかった。 「…………わりぃ」 ごめん。と謝ろうとしたら、先に獄寺からそんな言葉が飛んできた。少し目を伏せて唇を震わせて。 「獄寺」 いま謝ったら心が離れてしまう気がして、そっと名前をよんで体を抱きしめて引き寄せた。座ったまま抱きしめるとお互いの体がすこし汗ばんでいて、体温が熱い。 「好きだ」 触れるだけのキスを鼻に頬に唇に落とす。髪をなでてからまた抱きしめる腕に力を込めると、獄寺の頭が俺の肩にうまった。 「……お、れも」 そういって、獄寺もまた俺を抱きしめてくれる。こんなに好きなのに愛しいのに、一つになれないなんて嫌だ。 外に出すから。というと、意外にも獄寺はあっさり「……しょうがねぇな」といってくれた。 それかバックと書いてあったけど、獄寺の顔がみれないのは辛い。 「ごくでら」 名前を呼ぶと少し獄寺の腰が持ち上がる。そこに自身をあてると、さっきよりも直に獄寺の熱が感じられた。 「ん……んっ、あ」 どうしても力のはいってしまう獄寺の肩に手を添えて、少し体重を落とさせる。指でまわりをほぐしながらゆっくり挿入すると、さっきよりは幾分スムーズ先端が中に入っていった。 「あ、んっ! い、たぁ……んっ」 獄寺の頭が苦しそうに横に揺れる。交わる部分はやっぱりきつくて拒むような音がした。全力で押し返してこようとする中に、ぐいぐいと腰を少し突き上げて割りいる。正直、きつい。でもこんなの、獄寺の痛さにくらべたら全然割が合わない。 「いっ……、ん、んっ……」 痛みに耐えるためか唇を噛みすぎて白くなっている。このままじゃ血が出てしまうんじゃないだろうか。 「な、獄寺」 そっと唇の輪郭をたどるように指を這わせて、安心させるように笑う。 「でも……」 真剣な声で納得させるように言えば、獄寺は少しだけ悩んでから小さくうなずいた。 「んっ」 獄寺の歯が俺の肩に触れる。そこから熱が広がってくるようで、嬉しい。
「ごくでらっ」 思いきって強く一度突き上げると、先端の大きくなっているところが全部入って。粘膜が絡みつくように熱く締め付けてくる。 「あと、もう、ちょい」 ぴりっとまた肩に痛みが走った。けれどもう、気にならない。 「ゃ、……も、と」 ぎゅっと抱きしめて少しずつ獄寺を押し倒す。肩から口がはなれてしまったので、その代わりに腕を差し出した。 ベッドに獄寺の背中が完全に預けられたのを確認して、足を高く持ち上げて挿入を再開する。もう先ほどまでの苦しさは無くて、ジェルのぬめりも手伝って少しずつゆっくりと、けれど確かに一つになっていく。 「ご、くでら」 熱い。焼けてしまうようだと思った。 「んっ、ぁあ」 最後にぐいっと力を込めると、全てが獄寺の中に納まる。やばい、気持ちいい。達ってしまいそうだ。 「獄寺、は、いったぜ」 好きだ。好きだ。好きだ。たまらないぐらい好き。狂いそうなぐらい好き。死ぬほど好き。 「……ぁ、ん。な、くなよっ。馬鹿」 獄寺の震える手が伸びて、俺の髪を撫でる。どっちが抱かれているんだかわかったもんじゃない。 確かに。 「動くぜ」 また獄寺が唇をかまないように、離れてしまった腕をそっと口に添える。 「あぁ……んっ」 ゆるゆると腰を動かすと、中が絡みつく。俺だけが気持ちいいなんて絶対嫌で、獄寺の前を手で扱いてやると、とろとろとまた透明な液がでてきた。 「あ……んっ」 奥へ奥へ。細かく突き上げるように腰を動かすと、すぐに快感が訪れる。もう我慢できないかも、と思ったとき獄寺から高い声が漏れた。 「は、ああっ、あっんっ」 いままでの痛みに耐えるような声とは違うかすれた声に、びくりと動きが止まる。 「ごくでら?」 気持ち、いいんだろうか。でもそれをゆっくり探っている余裕はなくて、とにかく獄寺が「そこ」といったあたりに当てるようにしながら前を扱く指に力を込める。 「わり……も、無理」 限界。 |