あしのゆびさき
「舐めろ」というと、山本は少し考える素振りをみせてから、オレの足元に座り込んだ。 「悪いと思ってんだろ?」 山本は何もいわない。ただ一度だけオレの方に目線をむけて「このヤロウ」という顔をした。 「悪いと思ってんなら舐めろよ、足」 それとも口だけか? と聞いても、やはり山本は何もいわなかった。 そもそも、山本は何も悪くないのだ。 「それで獄寺は満足なのか?」 だが、さすがの山本も腹が立ったらしい。しばらく黙り込んでいたが、口を開いたかとおもったらそんなことを言った。 「さあな」 満足なはずがない。 「逃がさない」 そういって山本の赤い舌が唇をなめる。 「いつまでも、許してもらえるとおもってんだ?」 その隙を山本が逃すはずもない。てらてらと唾液で光る口元をにやりと持ち上げた。 そして、キスが足に落ちる。 「て、てめっ! 何しやがる」 山本の舌がオレの足の親指にからんだ。 「きたなくねえよ」 爪の間をそうっと舐めて、口ふくんでくる。こそばゆい感覚に目を細めると、指が足の裏をつたった。 「足の裏も性感帯ってしってた?」 しるかそんなもん! と叫ぶ前に、いま指がたどったところを、今度は舌が伝う。何度も何度も行ったりきたりしながら、また指にかえってきて、一本ずつ口にふくんで舐めていくのだからたまらない。 「獄寺、たってる……」 違うと否定したかったけれど、現実はどうしようもない。 「……お、まえは、ずるい」 知っているくせに。 「お前なんか、嫌いだ」 話を聞いているのかいないのか、山本は少しだけ眉間にしわをよせて、それから小さくわらった。 「ん……っ」 その舌は足の裏をつたって、くるぶしへ。それからふくらはぎから、さらにその上まで。 「は、あ……ち、くしょっ」 触れるか触れないかときわどい位置で触れてくる舌先が、たまらない。 「誤魔化されてよ、獄寺」 何だか山本の言葉が聞こえた気がしたけれど、もうそれどころではなくて。 嫌いだ。お前なんか、オレは嫌いだ。大嫌いだ。 「嫌いだ」 最後の抵抗とばかりに呟いた一言もやはり、キスに飲み込まれた。下肢に伸ばされる手を、振り払うこともできずに。
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中途半端でごめんなさい、消化不良。
いずれリベンジしたいです。
memoで少しだけかいてた分を、加筆してアップしました。
つまりMはSにはかてないということですね(何の話!?